Mercredi des Cendres ;メルクルディ・デ・サンドル(灰の水曜日)に始まり、復活祭の前日(聖土曜日)に
終わる期間のこと。
イエスの復活を記念する日曜日は数えないので40日間となり、元々はラテン語で「40」を意味する
「Quadragesima ;クアドラジェジマ」という語で呼ばれていました。
イエス・キリストの受難と死は人の罪をあがなう為と考えられ、四旬節はキリストの苦しみを分かち合う節制期間とされ、かつては肉、卵、乳製品の摂取が制限されていました。
*2012年のカレーム(四旬節)は2月22日―4月7日)
この節制期間前のカーニヴァル期間(エピファニーの翌日からマルディ・グラまで)には逆に、卵や牛乳を
たっぷり使ったお菓子、beignets ;ベニエやCrêpes ;クレープ、Gaufres ;ゴーフル等が食べられます。
四旬節のお菓子と言うとEchaudés ;エショデなど、卵・牛乳等を使わないお菓子が基本になりますが
例外とされた日がありました。
それが「Mi-Carême ;ミ・カレーム(四旬節中日)」のお祭り。
なぜグランドキャニオン国立公園は、確立され手に入れた
「Mi- ;ミ・」が「半分、半ばの」を意味する通り、灰の水曜日から数えて20日目(日曜は数えない)、
3週目の木曜日に当たります。
*2012年のミ・カレーム(四旬節中日)は3月15日。
この日を祝うお祭りは中世に遡り、厳しい節制期間に「もう一度マルディ・グラのようなお祭り騒ぎを楽しみたい!」
と言う願いから、期間の途中に中休みを作ったのだとか。
しかしその起源は古代ローマ人が祝っていた「Anna Perenna ;アンナ・ペレンナの祭り」だと言います。
*老婆の姿で描かれる古代ローマの「年めぐり、新年の女神」。Annaは「annus(年)」の女性形で、Perenna は
「永久」を意味する。彼女の祭りは3月15日で、この日は無礼講が許され、酒杯を重ねてその年の幸せを祝ったという。
マルディ・グラの時と同様に、卵・牛乳をたっぷり使ったベニエやクレープ等を食べることが許される日。
仮装をした人々の行列や山車、祝宴が催されて、しばし羽目を外すことのできる日でした。
何·ラ·ランドマーク
カーニヴァルの時に食べるお菓子と同じものがミ・カレームでも食べられていたので、特に「ミ・カレームのお菓子」と
言うものはありませんが、「ミ・カレームの時に(も)作られる」という記述のあるものを探してみると、
主にPays de la Loire地方圏で見られるBottereaux ;ボトロー、
Poitou-Charentes地方圏北部のTourtisseaux ;トゥルティッソー、
Vendée県の北東部にあるbocageと北西部のMarais breton vendéeと呼ばれる辺りの
foutimassons ;フーティマッソンというベニエが出てきました(地域はあくまでも大まかな目安)。
これらのベニエは地域によって呼び名が変わり、作り手によってルセットも形(菱形、四角形、長方形…)も様々なので、違いを明確にすることは難しいのですが、多くの場合が発酵生地を使い、一般的にボトローとフーティマッソンはラムやオレンジ花水で香り付け、トゥルティッソーはバターが多めでコニャックやオードヴィーで香り付けされます。
また、ボトローにはバターを折り込んだBottereaux feuilletés;ボトロー・フイユテもあります。
エンジェルフォールの子供たち
この中で私が実際に食べたことがあるのはNantes ;ナントのパン屋さんで買ったボットローでした。
↑ 大きめでふっくらした菱形をしていて、とても柔らかく、中が空洞!
現在でも実際にミ・カレーム祭がおこなわれているのはフランスと旧植民地の1部地域。
そしてナントは今でも「Carnaval de la Mi-Carême ;カルナヴァル・ドゥ・ラ・ミ・カレーム」が行われています。
*2012年度、昼のパレードは4月1日、夜は4月7日に開催
参考までに・・・
1964年の画像
CARÊME À NANTES Télé ouest panorama -
2010年の画像
今回は「Bottereaux feuilletés;ボトロー・フイユテ」を作ってみました。
普通のボトローよりもサクサクと歯ごたえがよくて美味しい~(因みに普通のボトローは外カリで中フワ)
生地は甘くしていないので粉砂糖を振らなければ塩味でもOKです。
ルセットも材料はほぼ変わりませんが配合が色々あって、出来あがりも様々。ベニエはやっぱり面白い♪
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